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ゴブリンやオークでイメージするのは、やはりロード・オブ・ザ・リングの敵の大軍。
日本人ならドラクエのオークは昔からのお馴染みです。
最近では映画「ウオークラフト」のオークは巨漢の英雄、人間と対峙する勇者として描かれています。その他大勢から主役への大抜擢。
オークの、雑魚キャラから英雄へ変わるその変遷をたどるのも興味深い所です。
目次
オークはトールキンが創造主
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オークは複数のルーツを持ちます。叙情詩「ベオウルフ」ではゾンビに似たグレンデルの種族「オーク=ナス(Orc-néas)」から生まれたオーガ(ogre)と同語源。
ローマ神話では死の魔神オルクス、民話や伝承においては一種の妖精・小鬼・邪霊の類、または広くヨーロッパに存在するゲルマン系の自然の精霊として扱われていました。
オークの誕生
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現在イメージされるオークは指輪物語の中で原作者トールキンが造りあげたもの。当初ゴブリンと表現されていたものがオークと変化してゆきます。
人間に近い外見。「浅黒い(または暗緑色)の肌、血走った眼、下顎から牙がはみ出ている武骨で醜悪な戦闘種族というオークはトールキンの指輪物語で生まれています。
指輪物語の中のオーク
冥王モルゴスが「捕らえたエルフを堕落させて作った存在」あるいは魔王サウロンが「神々の子孫であるエルフを真似て作ったが失敗した存在」。“人間以上、エルフ未満”の能力を持つ存在です。
オークの種族
オークの中にも幾つかの種族がいます。
- 「黒オーク」と呼ばれる高等種は背が低くて水泳が得意な「まがり脚の手長オーク」。
- 「ウルク」は「黒オーク」の下に位置する種族。普通のオークに比べ若干腕が長くて体が頑丈で言葉を操ります。
- 「ウルクハイ」はその2種を掛け合わせたもの。極めて頭が良く、且つ恐れを知らない究極戦士として描かれています。
- 人間とオークを掛け合わせたものは「ハーフオーク」
知性については種類によって様々、言葉を操れるのは上位種、言葉を持たない雑魚兵士としてのオークも存在しています。
性格
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指輪物語の中のオークは、冥王モルゴスがエルフを長い年月牢獄に繋いで拷問を続けたため、その容姿と精神が破壊され、歪んでしまった存在です。
全てのものに憎しみを抱く悪魔の手先、激しい憎悪が全身から溢れ出ています。創造主であるモルゴスも憎んでいますが恐怖支配によって従っています。特にエルフに対しては激しい憎しみと敵対心を持っています。
ファンタジー作品の中のオーク
ゲームやファンタジー作品の中のオークでまずイメージするのは「ブタ顔」。
なぜブタなのかという理由についてはアイルランドのorcが英語のporkと語源が同じ、豚という意味を持っていたため。またはオークのモチーフとなったという説があるローマ時代の死神「オルクス(Orcus)」の祭事に供物として“子豚”を捧げる習慣があり、そこから派生して供物の豚が豚顔になったなどの推測が生まれています。
日本ではやはり、ドラゴンクエストのオークのイメージが定着し、他の作品に波及していったものと推測されます。
けれど近年、世界的なヒットとなったRPGゲーム「Warcraft」シリーズでのオークは種族の存続をかけ、人間に戦いを挑む勇者。突き出た下あごに牙、尖った耳の巨漢ではありますが、家族を愛する勇敢な種族です。
「The_Elder_Scrolls」シリーズでのオークは醜い容姿が原因で迫害を受けてきたエルフの成れの果て。「迫害されし者の守護者」デイドラプリンス・マラキャスの庇護を受け、忠誠と勇気に溢れた英雄として扱われています。
人間を超える? 現代のオーク
人気ゲームが2016年に映画化された『ウォークラフト』。
侵略者の接近によって危機に瀕し新たな定住地を求めるオークとそれを阻む人間との対決を描きます。
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オンラインアクションゲーム『ファンタシースターオンライン2』では魔物種オークキャバリエやオメガオークとして登場しています
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オーク まとめ
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ロード・オブ・ザ・リンクの中ではチョイ役のヤラレキャラだったオークが映画の中の主役になっている、大変な出世です。
同じイカツイ巨漢でも、少しイメージが変わるだけで悪役から豪快な英傑になれる良い例といえそう。
オークといえども元はエルフ、英雄や主役になれる要素はあったのかもしれません。