小寒、寒の入り。一年で最も寒い時期に入ります。
正月が開け、仕事始めに入れば、めまぐるしい日常にかえります。
けれど、日の陽射しが長くなるように、心なしかチラホラと、春の気配が近づいているように思えます。
古来、小寒は「若菜摘み」の頃。雪に埋もれながらも、新芽はもう、生れ、育ち始めています
目次
「小寒」
小寒(しょうかん)は二十四節気の23番目。
現在の定気法では太陽黄経が285度のとき。
2024年の小寒は、1月6日(土)、および大寒(1月20日の前日)までの期間をいいます。
『暦便覧』では「冬至より一陽起こる故に陰気に逆らふ故、益々冷える也」。冬至から陰の気に逆らい、益々冷えるようになったと表現しています。
ー 寒の入り ー
小寒のこの日は「寒の入り」、この日から節分までを「寒」とし、寒中見舞いが出される季節です。「寒・寒中・寒の内」の約30日の間厳しい寒さが続きます。
正月行事
** 松の内と外 **
元日から、7日・15日まで依り代である正月飾りをし、年神様をお迎えしています。
歳神様が家々に滞在するこの期間を「松の内」といいます。
その正月も7日あるいは15日には歳神様もお帰りになり、門松などの松がとれ「松の内」が終わります。
** 鏡開き **
ー 「鏡開き」とは ー
歳神様に供えた鏡餅を下げ、そのお下がりをいただく祝いの儀式。
年神様の依り代である鏡餅には年神様の霊力が宿っているとされ、その霊力を授けられるようそれを食して1年の無病息災を願います。
「鏡は円満、開くは末広がり」、一家の円満、招福を願います。
本来、鏡餅を「歯固め」といい、硬くなった鏡餅を食べて歯を丈夫にし、長寿を祈りました。
武家社会では、正月には甲冑(かっちゅう)にお餅を供え、明けに食べる「具足祝い」「具足開き」という行事があり、その名残であるとも伝えられています。
商家では、鏡開きを「蔵開き」といい、この日に蔵を開き、仕事始めとして祝いました。
ー なぜ「開き」? ー
武家社会から広がったとされる風習で、「割る」という表現は縁起が悪いので、末広がりの「開く」を用いて「鏡開き」というようになったということです。
ー 鏡開きの時期は ー
鏡開きは、一般的には、1月7日までの松の内が明けた1月11日です。
けれど地方によって松の内の期間が異なり、それによって鏡開きの日にちも違いがあります。
- 松の内が1月7日までの地方は11日。
- 松の内が1月15日までの地方は15日または20日。
- 松の内にかかわらず、三が日が明けたら鏡開き。
ー 鏡開きの作法(?) ー
鏡開きは元は武家が始めた行事なので、大きな鏡餅を分けるのに刃物を使うことは切腹を連想させるので禁物。
硬く、よく乾燥してひび割れていれば木槌で叩いて砕きます。
木槌がなければ金槌で。餅を布や新聞紙で覆って叩きます。
あまり乾燥していない状態なら水に一晩浸けて、電子レンジでちぎれる状態にまで温めて調理します。
小寒」の頃、七十二候
初候(1月6日頃〜1月10日頃) 芹乃栄(せり すなわち さかう) : 芹が生え始める頃
春の七草の一種。一箇所から競り合って生えていることから、芹(セリ)の名がつきました。
次候(1月11日頃〜1月15日頃) 水泉動(すいせん うごく) : 凍っていた泉が動き始める頃
地中で凍っていた泉の水も解け始めます。
末候(1月16日頃〜1月20日頃) 雉始雊(きじ はじめて なく) : 雄の雉が鳴き始める
雌への求愛のしるし。甲高い声が響き、春の到来を告げます。
「二十四節気」とは
二十四節気は、一年を春・夏・秋・冬の季節に分け、それぞれをさらに6分割した24の期間に名前をつけたものです。現在でも季節の節目を示す言葉として使われています。
二十四節気の名称は、中国で考案された当時のものがほぼそのまま使われています。考案当時の文明の中心であった黄河の中・下流域の気候を反映しており、日本よりも寒冷で大陸的な気候のため、日本の気候とは多少ずれがあります。
太陽黄経が30の倍数であるもの(春分・穀雨など)を中(中気)、そうでないもの(清明・立夏など)を節(正節、節気)と言い、節気から次の節気の前日までの間を一ヶ月とする月の区切り方を節切り、その月を節月と言います。季語の分類も主として節切りで行われています。
夏至・冬至の二至、春分・秋分の二分を併せて二至二分といい、立春・立夏・立秋・立冬を四立、二至二分と四立を併せて八節と言います。二十四節気をさらに約5日づつの3つに分けた、七十二候という分類もあります。
小寒の頃の行事
小寒のこの時期は正月開け、新年のスタートを飾る催事が全国各所で催されています。
どんと焼き(左義長)
どんど焼き(左義長)は1月15日の小正月に行われる行事。
正月飾りを燃やし、正月を締めくくります。
新春の満月の夜に開催される火祭りで、旧暦ではこの日が新年最初の満月の日にあたります。
全国各地で、1年間の災いを払い、商売繁盛・家内安全・無病息災・五穀豊穣を願い、催されます
この日、しめ縄や門松などの正月飾りや、お守り、お札、のし袋、熊手などの縁起物、だるまや人形などを燃やします。
この日
- 熾(お)き火の煙に当たると「健康になる」
- 鏡開きをした餅や団子などを針金に刺して焼いて食べると「風邪をひかない」
- 正月の書初めの習字を燃やし、 火が高く上がると「字が上手になる」
- 昆布やスルメをあぶって食べると「その年は無病息災」
などの言い伝えがあります。
「宵えびす」「十日えびす」1月9日~11日
9日から11日の3日間、近畿を中心に、福の神であり、商売の神様恵比寿神を祀る「えべっさん」が盛大に催されます。
特に兵庫県西宮神社の「十日えびす」,大阪市今宮戎神社の「十日戎」,福岡県十日恵比須神社の「正月大祭」は有名。
小寒 まとめ
手がかじかみ、頬が赤く染まる、寒さにしばれるこの頃は特に朝の陽の光が眩しく思えます。
雪国なら、雪景色に映える陽の光はいっそう眩しそう。
そういえば雪焼けは夏の日焼けより悲惨、厳禁でした!。