『アウネーテと人魚』とは
『アグネーテと人魚』は古くからデンマークに伝わる昔話。
1834年、ハンス・クリスチャン・アンデルセンが戯曲として発表。
これを基に、1837年に『人魚姫』を発刊しています。
あらすじ
アグネーテは母親と共に海辺の町に住んでいました。
ある日、美しい男性の人魚が現れ、アグネーテに求婚。
アグネーテは人魚の妻になることを決め、人魚に連れられ海中の人魚の世界に迎えられます。
夫との間に子ども生まれ、7年が経ちました。
子どもたちはアグネーテに陸の上の話をせがみ、アグネーテに魚の尾がないことを不思議がります。
アグネーテは陸の世界を思い出すたび、母親に何も言わず姿を消したことを悔やみます。
そして夫に故郷に帰りたいと懇願。
「1時間だけ」という約束で陸に帰ります。
アグネーテはかつての我が家に帰ります。
けれど、そこに母はおらず家も朽ちています。
不思議に思うアグネーテは一人の老人と出会います。
老人なら母の所在を知っているかもしれないと尋ねます。
驚いた老人は「その人なら亡くなってもう40年になるよ」と答えます。
その老人は昔の下宿人でアグネーテを慕っていたヘミングでした。
海底での7年の生活は、地上で50年に相当し、長い月日が過ぎてしまっていました。
アグネーテは途方に暮れてしまいます。
やがて、1時間がすぎても戻らないアグネーテを心配して、夫がやってきました。
「どうか戻っておくれ」と訴える夫に
「天国へ行こうと思うなら私はあなたに従えません」とアグネーテは答えます。
夫は失意の中、海に戻ってゆきます。
絶望したアグネーテは「イエス様、罪深い私を迎えてください」
そう言って浜辺の岩場で息絶えます。