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サンダルフォン、人の祈りを神に伝え、サタンと戦うユダヤ教の大天使。

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メロッツォ・ダ・フォルリ作

天使といえば、ミカエルラファエルのようなキリスト教の見目麗しい天使をイメージします。

けれど、キリスト教以外にも、アブラハムの宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の三宗教の総称)にはユダヤ教、イスラム教にもそれぞれの天使が存在しています。

 

サンダルフォンはユダヤ教の大天使。

サタンと戦う、天に届くほどの巨体の天使です。

 

 

サンダルフォン、天に達する巨体の天使

フローレンス・フリーマン作

サンダルフォンとは

サンダルフォン(Sandalphon)はユダヤの天使。

タルムード(ユダヤ教の聖典)やカバラ(ユダヤ教の神秘思想)で伝えられる大天使です。

 

メタトロンの双子の兄弟とされ、天に達するほどの巨体を持つ、預言者エリヤが生きながら昇天した後の姿

サタンと戦う役割を担い、200人の神に反した集団『グリゴリ』を収容する天界『第五天マティ』を支配する天使。

胎児の性別を決め、天国の歌を司る天使であるとされます。

 

名前の由来

サンダルフォン(Sandalphon)の名はギリシャ語の『syn(共に)』と『adelphos(兄弟)』を合わせた『synadelfos (共通の兄弟)または(仕事仲間)』を意味するとされます。

 

大天使メタトロンの兄弟としての地位と、Sandalphon、on の語尾は、サンダルフォンが人間の人生を終えた後に天使の地位に昇格したことを示しています。

 

また、他にオファン(ヘブライ語で「車輪」)の別称を持ちます。

これは、エゼキエル書においてサンダルフォンが霊的な車輪を持つ生き物であると記されたことで、火と光の馬車に乗って天に昇った預言者エリヤであると信じられる由来となっています。

 

地位

サンダルフォンは聖書には登場していませんが、ユダヤ教のタルムード(ユダヤ教の聖典)やカバラ(ユダヤ教の神秘思想)、初期キリスト教で伝えられる重要な役割を果たす大天使

 

カバラ(ユダヤ教の神秘思想)では、セフィラ・ マルクト(カバラの生命の樹)を代表する天使。

タルムードの(ユダヤ教の聖典)ハギガでは、シャーリム(王子たち שָׂרִים )の一員であり、ハッザン(天国の歌の達人 חַזָּן)。

ソロモンの鍵では「契約の箱の左、ケルビムの女性」とされます。

 

その地位アブラハムの宗教で語られる「7つの天国の階層」のどの層を支配しているかについては諸説語られています。

まず、グリゴリが収容されている天界の第5天(マオン Ma'on)を支配する天使とされますが

古代エノク書では第3天(シェハキム Sheḥaqim)

ハディース(イスラム教の聖典)では、第4天(ゼブル Zebul)

イスラムの伝承では第5天(マオン Maʿon)

ゾーハル(カバラ思想の聖典)では、他の天使を導く第7天(アラボト Araboṯ)を支配し、カバラの生命の樹の球体の出口を司るとされます。

 

起源

サンダルフォンは最古の文献では預言者・エリヤが人間としての生涯を終えた後、昇天し、天使の地位に昇格したのだと伝えています。

 

ミドラーシュ(ユダヤ教の聖典)ではサンダルフォンはメタトロンの「双子の兄弟」

タトロンがエノクを起源とすると同様に、サンダルフォンもまた預言者・エリヤという人間としての起源を持つとしています。

 

使命・役割

🔳サンダルフォンは守護天使を率いる長。

ゾハール(カバラ思想の聖典)では天使の軍勢を指揮し、 サマエル(サタン)との絶え間ない戦いを続けている、とされています。

 

🔳 天国の歌を司る

サンダルフォンは音楽の天使としても知られています。

天国の音楽を支配し、人々が祈りの中で音楽を用いて神とコミュニケーションをとることを助けるとされ、多くの作品で楽器を演奏する姿が描かれています。

 

🔳祈りを集めて神に伝える

サンダルフォンは人間の祈りを受け、神に届ける使命を担います。

仮庵 (3つの巡礼祭のひとつ)祭りの典礼で、信者の祈りを受け、その祈りで花輪を作り神に捧げるとされます。

 

🔳胎児の性別を決める

ヤルクト・レウベニ(カバラ文書)では、誕生を控えた胎児の性別を決める天使と記されています。

 

容姿

背丈は天に届く程とされ人間が500年かけて歩く長さ(18万1500パラサング)、60万パラサング(約210万マイルまたは340万キロメートル)の長身を持つ天使・ハドラニエルを500フィート超えているとされます。

ユダヤの伝承で、預言者モーセが天国の幻視で第三の天国を訪れたとき、サンダルフォンを「背の高い天使」と呼んだとされます。

 

 

サンダルフォン、現代でもまんまサンダルフォンキャラ

新世紀エヴァンゲリオン』第8使徒。衛星軌道上より飛来した、光を歪めるほどに強力なATフィールドを纏る巨大な使徒。

火山の中でまだ孵化していない卵の胎児の形で発見され、ネルフが最初に捕獲作戦を試みます。

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女神転生』シリーズののサンダルフォンはメタトロンの双子の弟。

兄のメタトロンと比較して「中堅上位~高位の仲魔」という地位でイマイチ活躍も少ない?

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聖☆おにいさん』のサンダルフォンは巻き爪が痛くて、サンダルを好んで履く事が名前の由来になった、地球と同じぐらいの大きな天使。

人間サイズになってイエスとブッダが住むアパートの騒音対策にやってきます。

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ライトノベル「デート・ア・ライブ」では、サンダルフォンは夜刀神十香が所有する天使と呼ばれる霊的武器。

時空を含む、あらゆるものを切断します。

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サンダルフォン まとめ

リカルド・メアッチ作 1856年

天に届くほどの巨体の天使。

 

実体としての存在を考えるとパニックやホラーの世界になってしまいます。

 

けれど、実態のない存在と考えれば、

人間の祈りを神に伝え、

胎児の性別を決める、

そんな使命も至極自然に受け入れられます。

 

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