五月人形でまず思い出すのは「金太郎」。「鉞担いだ金太郎」の童話をイメージしますが、意外とそれ以外のエピソードについては知らないまま。
そこで、あらためて「金太郎」がどうゆう人物であるかを考察します。
「金太郎」は実在の人物?金太郎のモデルとなったといわれる坂田金時とはどんな人物?
目次
幼名「金太郎」、坂田金時とは
金太郎は桃太郎、浦島太郎と並ぶ日本の三大太郎のひとり。
その特徴的な容姿が健やかな日本男児をイメージさせるためか、五月人形のモデルとして有名です。
金太郎
金太郎は3歳〜6歳程度の元気な男子。童子や大童(おおわらわ)の散切り頭。
「金」の文字の入った真っ赤な腹掛け(はらかけ)をし、鉞を担いで、熊にまたがった姿が知られています。
身体が真っ赤なのは龍の子供である、山姥の子供である、雷神の子供であるなどの説があることが影響しているものと思われます。
三大太郎のうち母親が登場するのは「金太郎」だけ。
その母親も「金太郎の乳母」であったり、実母ではあるけれど山姥で、父は雷神であるという説や、金時山の頂上で赤い龍が八重桐に授けた子などの説が存在しています。
何故足柄山に母子だけで住んでいるのかについても、父がなくなったためであったり、何かから逃げ隠れしたためであるという説も伝えられています。
** 童話のあらすじ **
むかしむかし、あしがら山に金太郎という元気な男の子がいました。
金太郎は小さいころから力持ちで、 いつも山の中で動物たちと遊んでいました。
ある日、動物たちのなかで一番強いクマとすもうをすることになりました。
「はっけよーい、のこった!」でくみあい、そして勢いよく、なんと、きんたろうはクマを投げ飛ばしてしまいました。
動物達と綱引きをしても金太郎にかなう相手はいません。
そんな金太郎のうわさを聞いた都のえらい武士が金太郎をたずねてあしがら山までやってきました。
「あなたは成長してきっと立派な武士になるでしょう。私と一緒に都へ来て修行しませんか?」と誘われます。
金太郎は武士になるために、都へ行くことに決めました。
「ぼくは都でりっぱなぶしになります」金太郎はそう母親に告げると、あしがら山の動物たちにお別れを言い、都へ行きました。
そして金太郎は悪い鬼も退治して立派な武士になりました。
坂田金時とは
坂田金時は「金太郎」の成長した後の人物として知られています。その坂田金時にはいくつもの伝説があります。
けれど坂田金時(金太郎)が実在の人物であるかどうかについては、はっきりとしたことはわかっていません。
ちなみに坂田金時は「金時豆」の名前の由来でもあり、更に息子の坂田金平も「きんぴらゴボウ」の名の由来になったことで知られています。
坂田金時の「頼光四天王」として童話「金太郎」の話に出てくる伝説は、静岡県駿東郡小山町の金時神社に伝わるものが最も近いとされています。
** 金太郎(坂田金時)の生涯 **
金太郎は天暦10年5月に誕生しました。
彫物師の娘、八重桐(やえぎり)が京にのぼった時、宮中に仕えていた坂田蔵人(くらんど)と結婚し、妊娠。
八重桐は故郷で金太郎を出産しますが、坂田が亡くなってしまったため、京へ帰らず故郷で育てることにします。
金太郎は足柄山で熊と相撲をとる元気で優しい子供に成長します。
天延4年、金太郎は足柄山を訪れた源頼光と出会い家来となります。
京にのぼって名前も坂田金時(きんとき)と改め、渡辺綱、卜部季武、碓井貞光とともに、頼光四天王のひとりとなります。
その頃、丹波の国の大江山に住む鬼、酒呑童子が都を訪れては悪行を重ねていました。源頼光と四天王たちは山伏に扮し、酒好きの酒呑童子に神変奇特酒(眠り薬入り酒)を飲ませ、退治します。
金時はその後も武勇を重ね、享年55歳で熱病のために死去しました。
金太郎、ニート侍にもサーヴァントにもなる坂田金時
出典:pixiv
「銀魂」。考えてみれば主人公「銀ちゃん」の正式名は坂田銀時。金太郎はネーミングモチーフとなっています。江戸かぶき町で何でも屋『万事屋銀ちゃん』を営む銀髪のニート侍。
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『Fate/Grand Order』では、金髪のおかっぱ頭のヤンキーのようなバーサーカーのサーヴァントとして登場しています。
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金太郎 まとめ
酒呑童子という鬼を退治した功績がありながら、なんとなく大人になってからの存在感がイマイチ薄いように感じる金太郎さん。あまりにも子供の頃のキャラが強烈すぎるからでしょうか。
金の字のひし形の胸当てをしたその出で立ちはまさにアニメキャラそのものといった感じです。けれど、五月人形の武者人形も大人になった金太郎をイメージしたものであるとか。
まさに「金太郎」=ニッポン男児のシンボル、なんですね