fateの槍兵サーヴァント、ディルムッド・オディナ。渋いイケメンランサーはケルト神話の中のフィン・マックール率いるフィアナ騎士団最強の騎士。
実際でも美しすぎる容姿が原因して非業の死を遂げる悲劇のヒーロー。その実像に迫ります。
fateでも忠義と愛との板挟みで悩むディルムッド・オディナの生涯、英雄フィン・マックールとの関係とは。
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目次
最強の槍兵ディルムッド・オディナの実像
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ディルムッド・オディナはエリン(アイルランドの古称)の英雄フィン・マックールが率いるフィアナ騎士団最強の騎士。
妖精王オェングス、海神マナナン・マクリルを育ての親に持ち、ゲイ・ジャルグとゲイ・ボウという2本の槍と、モラルタとベガルタという2本の剣を武器とする勇者。
妖精から与えられた魔法の黒子(ホクロ)が女性の心を虜にする美貌の持ち主。その美しすぎる容姿が原因してフィンの婚約者グラーニアに慕われ、グラーニアに与えられたゲッシュ(誓い・禁忌)のために駆け落ち。フィン・マックールに疎まれ、非業の死を遂げます。
ディルムッド・オディナとグラーニア
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2番目の妻を失って老年になったフィン・マックールは新しく妻を娶ることになり、エリンで最も美しい上王コーマックの娘グラーニアとの婚姻が決まります。
けれど若く美しいグラーニアは老いたフィン・マックールとの結婚は喜べずにいました。そこで祝賀の宴で他の来客を薬で眠らせ、ディルムッド・オディナに自分を連れて逃げるように頼みます。忠誠心に篤いディルムッドは最初「花嫁の責務を放棄してはならない」と断りますが、ディルムッドに魅了されていたグラーニアはこの拒絶に怒り、「皆の起き出す前に、自分を連れて逃げなければ破滅が訪れる」というゲッシュをディルムッドに与えます。
ふたりの駆け落ちに怒ったフィン・マックールは長い年月、騎士団にふたりを追わせます。けれどついに、オェングスの仲介もあってフィンはふたりを許し、はれてふたりは夫婦となります。
ディルムッドとグラーニアの間には4人の息子に恵まれます。
ディルムッド・オディナの最期
ある日、ディルムッドはベン・ブルベンの山へ狩りに出かけます。
その日、妻からの忠告に従わず長槍・長剣のゲイ・ジャルグとモラルタではなく、短槍・短剣のゲイ・ボーとベガルタを持ち、犬のマック・アン・フィルを連れて出かけます。
そして「ディルムッドを殺す」という呪いをかけられた耳と尾のない大きな魔猪に瀕死の重傷を負わされてしまうことになります。
同行したフィン・マックールは、すくった水で傷を治すことのできる癒しの手をもっており、ディルムッドの傷を治すことができるのです。
けれど婚約者を奪われた恨みから、泉からすくった水をディルムッドのもとに運ぶまでに2度もこぼし、3度目になって、ようやくたどり着いた時には既にディルムッドは亡くなっているのでした。
ディルムッド・オディナはゲッシュと忠義の狭間で愛を選び、長い年月その板挟みに苛まされ続けます。フィン・マックールと和睦できない間は清い関係を保ち、死に瀕しても誰も恨む事なくそれを受け入れたと伝えられています。
ディルムッド・オディナの性格・容姿・能力・特徴
ディルムッド・オディナのその容姿は際立って美しく、どんな女性でも心をときめかせたという黒い巻き毛の色白で背の高い美男子。
美しいだけでなく、妖精によって贈られた“魔法の黒子”を持ち、出会った女性を虜にしてしまう、「輝く顔」「愛の黒子のディルムッド」という愛称の持ち主。
戦士としても優れ、騎士団の中でも最強と謳われ、戦場で常に先陣を切り、戦場を駆け巡る無類の健脚の持ち主でもありました。
性格は勇敢で心が広く、高潔。 忠義心と友情に厚く、主君であるフィンや騎士団の仲間達とも深い友情で結ばれ、女性だけでなく同性や年齢を問わず国中で愛されていたといいます。
仲間達からは「最高の戦士」と称えられ、 妖精郷の戦士からも「フィアナ騎士団全員よりディルムッド一人を味方につけたい」という評価を与えられていました。
ディルムッド・オディナの武器
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ディルムッド・オディナの武器は4種。それらは養父であり、ドゥルイドのブラフのアンガスあるいは養父で海神のマナナン・マクリルに与えられたと伝えられています。
ゲイ・ジャルグ(ガー・ジャルグ、ガー・ダーグ)
「赤槍」を意味する大きな槍。 どんな魔法も打ち破り、この槍で与えられた傷は回復できない魔槍。ダーマットは、この槍で、火に燃えず、水に溺れず、武器に傷つかない犬や、ドゥルイドの魔法を使う魔女などを倒したと伝えられています。
ゲイ・ボー(ガー・ボー、ガー・ボイ)
「黄槍」を意味する小さい槍。
ゲイ・ジャルグ同様、この槍で傷付けられた者は回復できない魔槍。戦闘以外では、ゲイ・ボーの穂先に飛び乗るという勇士の技を披露する際に使われました。
モラルタ
「大いなる激情」、「大怒」を意味する魔剣。 一太刀で全てを倒す、一撃で人間を両断する威力があるといわれる剣。
ベガルタ
「小さな激情」、「小怒」を意味する魔剣。呪いの猪に用いられ、刀猪の頭蓋骨を叩き潰して猪を倒したとされる剣。
fateでも人気のランサー、ディルムッド・オディナ
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「Fate/Zero」では第四次聖杯戦争において、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトによって召喚された、ランサーのサーヴァントディルムッド自身にもコントロール出来ない、出会った女性を魅了する黒子の力を持て余しています。
「ちびちゅき!」ではアイドルグループ・YARIOのメンバー。サーヴァント界随一のイケメン。ソラウの希望で参加しますが、赤ランサーからは「人妻狙い」「中高年のアイドル」と酷評
TYPE-MOON学園 ちびちゅき!(1) (角川コミックス・エース)
ディルムッド・オディナ まとめ
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愛と友情、忠義というものはなかなか全てが成り立つなどという結果にはならないもの。愛を貫けば友情や忠義を失う、ありがちな結末です。
人は身近な存在の幸せを妬ましく思うもの。まして、婚約者に裏切られて、それを心から祝福できるはずもない。
人は『過ぎる何か』を持てばその代償は払わなければならないようです。
とはいうものの、ディルムッド・オディナの生涯が悲劇であったとは思えない。
妻に愛され、友に慕われ、栄誉を与えられた人生、充分幸せだと思います。