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ギルガメッシュは人類史上最古の英雄。
シュメール期、紀元前2600年頃、つまり4600年もの太古の物語です。
「実在した人物で、126年の間王として君臨していた」もう、想像の域を超えているんで、正直、コメントできません。
御覧ください。
ギルガメッシュとは
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ギルガメシュ(Gilgameš)はアッカド語、シュメール語ではビルガメシュ( Bilgameš)。古代メソポタミア、シュメール初期王朝時代(紀元前2600年頃?)の伝説的な王。
「シュメール王名表」においてウルク第1王朝第5代の王として126年間在位したとされます。
実在した人物といわれ、多くの物語から成るメソポタミア神話の中でも最も有名な英雄譚、人類最古の文学『ギルガメッシュ叙事詩』の主人公として現代に語り継がれています。
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ギルガメッシュはウルク第1王朝の王ルガルバンダを父に、母、夢解きと知恵の女神リマト・ニンスンの間に生まれます。
ただし「シュメール王名表」においては、風魔リル(男性のリリト)の息子であり、ウルクの王として126年間在位したとされます。
その体は3分の2が神、3分の1が人間という半神半人。
シュメールの最高神、創造神・天空神のアヌ、主神・大気神エンリル、水と知恵の神エンキ(エア)から知恵を授かります。
女神ベーレト・イリによって形作られたその姿は大変美しく、また武勇に優れた怪力の持ち主。
太陽神シャマシュからは男らしさ、気象神アダドから雄々しさを授かったと伝えられています。
キシュからウルクに政治的地位を移し、ウルクを城壁で囲み護国に貢献。天空神アヌや美と豊穣の女神イシュタルの神殿を宝物で満たしたことでも語り継がれています。
そのひととなりは
15kgある黄金の短剣や90kgもの斧、巨大な弓を携え、300kgの武装で身を固めるという剛力。武器の扱い、拳で戦う武勇にも優れた人物。
その一方で良く笑い、良く泣き、良く怒り、良く祈る、人間的な性格も併せ持っていた英傑として語られています。
実在した人物か否か
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ギルガメッシュに関する最古の記録は、シュルッパクの遺跡で見つかった紀元前2450年頃の神名表です。ここでは冥府の神と記されています。
この他にもウル第3王朝期(BC2112~BC2004)『シュメール王朝表』では神格化された王として供儀を受け、この頃よりルガルバンダとニンスンの息子とされます。
BC2000年頃、ニップルの古い歴史を描いた『トゥンマル文書』では、キシュ第1王朝の伝説的な王エンメバラゲシがニップルに主神・大気神エンリルの神殿を建て、ギルガメシュがそれを再建した事が記されています。
現在、これらの記述や、ギルガメシュと同時代とされるエンメバラゲシの実在が確認されていることから、ギルガメシュもまた実在し、死後すぐに神格化されたとする説が有力視されています。
けれど、実在を直接証明する証拠は見つかっていないところから、冥界神が伝説化されたとする説もまた存在しています。
ギルガメッシュ叙事詩
実在していた可能性のある古代メソポタミアの伝説的な王ギルガメシュを巡る物語。人類の歴史の中で最も古い作品です。
『ギルガメシュ物語』は紀元前2000年ごろに成立したとされ、これは時代を隔てた別々の物語を1人の人物ギルガメシュに統一したものとされます。
現在『ギルガメシュ叙事詩』として知られているのは前1300〜1200年頃にまとめられた「標準版」。新アッシリア時代のアッシュルバニパルの図書館から出土した12枚の書版。
原題は『深淵を覗き見た人』もしくは『すべてを見たるひと』。
成立後、新アッシリア時代(BC1000~BC609年頃)に、ビルガメシュ伝承「ビルガメシュ、エンキドゥ、冥界」が第12の書板として追加されています。
あらすじ
** 書版 1 **
ウルク市の王ギルガメシュは、強き英雄でしたが彼に敵う者がいなかったため、他人の痛みを知らない暴君となります。それを嘆いた市民たちの訴えを聞いた創造神アヌは、女神アルルにギルガメシュの競争相手を造るよう命じます。アルルはウルクから離れた荒野で粘土からエンキドゥを造ります。
けれど、生まれたばかりのエンキドゥは知性を持たず、全身を毛に覆われた姿で野獣そのものでした。
ギルガメシュは神殿の巫女のシャムハトを遣わせ、エンキドゥはシャムハトから人間らしさや知性を学びます
** 書版 2 **
エンキドウの夢を見たギルガメシュは、夢解きの女神である母ニンスンに訪ね、女神は「おまえに対抗する者が野に生まれ、やがてウルクに来る」と告げます。
仲間が欲しいエンキドウも巫女からギルガメシュのことを聞き、喜び勇んでウルクに向かいます。
けれど、ギルガメシュが市民の結婚式に現れ、新婦に夫よりも先に寝床を共にしようとするのにエンキドゥは憤激し、出会って早々の大格闘。決着がつかず、2人は互いの力を認め合い、深く抱擁を交わして親友となります。
** 書版 3 **
ギルガメシュは杉の森に住む怪物フンババを倒すことをエンキドゥに相談します。フンババの恐ろしさを知るエンキドゥは涙を流し強く反対します。ギルガメッシュはそのことに心を痛めながらも遠征に出発。旅の成功を祈る儀式を終え、2人の出発をウルクの民たちは祝福し送り出します。
** 書版 4 **
2人は通常なら45日分の距離1500㎞を3日間で歩き、森の入口に到着。まず、そこで出会ったフンババの手下と戦います。
** 書版 5 **
そしてフンババとの対決。
杉森までの案内役として同行していた遣い魔(あるいは守護霊)シャマシュは8つの風を起こして援護、ふたりはフンババを捕らえ、エンキドゥが命乞いをするフンババの首を切り落として討伐。
2人は杉を伐って船を造り、杉の大木とフンババの首を持って無事ウルクへ帰還します。
** 書版 6 **
勝利の凱旋をするギルガメシュは、愛と美の女神イシュタルに求婚されますが、イシュタルのこれまでの不貞と残忍さを嫌い、これを断ってしまいます。
怒ったイシュタルは父である創造神アヌに聖牛グガランナを求め、ウルクの町を襲わせます。
牡牛は街を破壊し、多くのウルク市民を殺害。
ふたりは牡牛を倒し、その心臓を守護霊シャマシュに奉納します。
破れたイシュタルは城の頂からギルガメシュに呪いを吐き、怒ったエンキドゥは牡牛の死骸の一部をイシュタルに投げつけます。顔面を汚されたイシュタルは嘆きます。
その夜、エンキドゥは不吉な夢を見ます。
** 書版 7 **
エンキドゥが夢の内容を語ります。
その内容は、「神々がギルガメッシュとエンキドゥがフンババと天の牡牛を殺した罪に与える罰を話し合い、守護霊シャマシュ神の弁護も虚しく、主神エンリルによりエンキドゥの死が定められてしまう」というもの
ギルガメシュは祈りますが、エンリルの決定は絶対でした。
病に倒れたエンキドゥは冥界にいる夢を見て、死が近いことを悟ります。
病床について12日目、エンキドゥは息を引き取ります。
** 書版 8 **
ギルガメシュはエンキドゥの哀悼のために、宝石や黄金でできた像を作り、太陽神シャマシュに蜜やバターを供えます。
** 書版 9 **
エンキドウを失ったギルガメシュは死の恐怖に怯えるようになり、永遠の生命を求めて旅立つことを決意します。
それは「大洪水」の生存者ウトナピシュティムに、神に不死を与えられたことの経緯を聞くためのものでした。
ギルガメシュは地の果て、マシュ山にたどり着きます。2人のサソリ人間(半人半獣の怪物)が入り口を守ります。
サソリ人間たちは「この先の山は暗闇に包まれ、出ることは出来ない」と言ってギルガメシュを引き止めます。けれどギルガメシュの意志は固く、続く120kmの暗闇を歩き、宝石やブドウで満ちた楽園へ辿り着きます。
** 書版 10 **
酒屋の女将シドゥリに船頭ウルシャナビを教えられ、ウルシャナビはギルガメシュを船に乗せ、死の海を渡り、ついに、ウトナピシュティムの島にたどりつきます。
ギルガメシュの問にウトナピシュティムは「神々に創られし者であるならば、必ず命は定められる」と語ります。
** 書版 11 **
そしてウトナピシュティム自身はどのようにして不死を手に入れたかを語り始めます。
■洪水物語
【水の神エアのお告げを受け、私は船をつくり、自分と家族、全ての動物を乗せます。
6日間の間嵐が続き、7日目、船はニシル山の頂上にたどり着きます。神々に生贄を捧げると、多くの神が集って来ました。
生き残った者がいることを知って主神エンリルは怒ります。けれどエア神は「洪水など起こさずともよかった。私はただウトナピシュティムに夢を見させただけ。今は助かった者たちに、助言を与えるべきでは」と話します。そこで主神エンリル神は私と妻に永遠の命を授けられました】と。
そして、「不死を手に入れたいのであれば、洪水があったのと同じ6日6晩の間を眠らずにいてみては」と助言を与えます。
けれど、ギルガメシュは眠ってしまいます。
そこで、ギルガメシュが帰る間際、ウトナピシュティムはギルガメシュに若返りの植物「シーブ・イッサヒル・アメル」が海の底にあることをつげます。
そして、ギルガメシュはついにその植物を手に入れます。
けれど、泉で水浴びをしている間に蛇に奪われてしまいます。
ギルガメシュは泣き、収穫もなくウルクへ帰り着きます。
** 書版 12 **
天地が創造されてまもないころ、ユーフラテス川のほとりにヤナギの木が生えていました。けれど風で木は倒れ、川の氾濫で流されていきます。
これを見つけた豊穣神イナンナ(イシュタル)は、持ち帰り、椅子と寝台にするため聖なる園に植えます。
けれどその木に蛇やライオンの頭を持つワシの怪物ズー、女性の悪霊リリトが棲みついてしまいます。
豊穣神イナンナはギルガメシュに助けを求めます。ギルガメシュは斧で蛇たちを払います。イナンナは礼として木の根元からプック(輪)とミック(棒)を作り、ギルガメシュに贈ります。
けれどそれらが大地の割れ目から地下(冥界)に落ちてしいます。
エンキドゥが拾いに行きますが、タブーを破って冥界から帰れなくなってしまいます。ギルガメシュは知識と魔法を司る神エンキ(エア)と太陽神ウトゥに助けを求め、影(魂)のみ地上に戻ることができました。
ギルガメッシュの死と死後
ギルガメシュは旅から帰国した後も王として国を治めます。
そして夢で見た冥界に主神エンリルが現れ、「人であれば死は運命。けれどたとえ死んでも冥界でエンキドゥと再会し、神々の1人に数えられることになる」と告げられます。
その後、ギルガメシュは墓の鋳造に取り掛かります。その最期は民や家族に嘆き悲しまれながら永眠。
ギルガメシュの墓はユーフラテス川の奥底に隠されたといわれます。
冥界神ギルガメシュ
ギルガメシュは死後まもなく神格化され、冥界神として崇められるようになります。
『ウルナンム王の死と冥界下り』では、その存在は神というより冥界の王(ルガル)であり、冥界に入った死者を指導するもの。
新アッシリア時代の書版には冥界神ギルガメシュに捧げられた祈祷が残されています。
これは、ギルガメシュが地上を脅かす悪霊や死人の魂を制御する、人間を守ってくれる神と信じられていたことを示すものとされます。
今も変わらない英雄王 ギルガメッシュ
「Fate/Grand Order(FGO)」メソポタミア神話の英雄。『人類最古の英雄王』と自称する人類史において最も古い、『物語になった王』である。神の血を引きながら人に寄った裁定者
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出典:kamigame
「パズドラ」のギルガメッシュ。圧倒的カリスマで配下を率いるその姿は、時に王以上に王らしいとされます
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「ファイナルファンタジー」シリーズのギルガメッシュは幾度となく現れ、主人公たちの前に立ちはだかる、人情に厚く少々ドジな、なぜか憎めない敵。「FF5」では最終的には主人公たちと友情が芽生え、壮絶な最期を遂げています。
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ギルガメッシュ まとめ
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個人的にはFFシリーズのギルガメッシュが印象に残っています。
よく泣き、良く笑い、良く怒る、いつもハイテンションなオヤジ。
身近にもいそうな気がします。
ただ、自分を押し付けてきそうな気がするので、シンドいんで逃げてます。
すみません。。。