出典:deviantart
ワイバーンは多くのファンタジー作品やゲーム、アニメでもお馴染みのドラゴン。
けれど、その特徴、他のドラゴンとどこが違うのかと聞かれたらよくわからないのでは?
そこで、今回はそんなワイバーンに注目です。
ワイバーンの誕生や、意外かもしれない?、ナルホドな?、特徴とは
目次
ワイバーン イギリスの紋章学で生まれたドラゴン
ワイバーンとは
ワイバーン(wyvern wivern)は、イギリスやフランスの寓話に登場する架空の生物。
中世の紋章学で生まれ、「強い敵意」を象徴するとされます。
その最大の特徴として、ドラゴンは4本脚ですがワイバーンは2本の脚。
一般的にはドラゴンの一種として扱われますが、正確にはワイバーンはドラゴンと区別される亜種。
その姿の特徴は、ドラゴンの頭、コウモリの翼、トゲが生えたヘビの尾、堅い緑色の鱗に身体を覆われています。
口からは赤く長い舌が伸び、時に炎を吐くといいます。
肉食であり、出会ったものは全て破壊してしまうという獰猛な性格です。
ワイバーンの起源
ワイバーンの起源は、伝説や神話ではなく、紋章学にあります。
紋章のみに登場する怪物であるため、具体的な神話や伝説は存在しません。
ワイバーンは、主にイギリスの王族や貴族を表す紋章の中で描かれてきました。
正確な初出は分かっていませんが、1066年のノルマン=コンクェスト (ノルマン人がイングランドに侵攻した征服活動) ヘイスティングズの戦いでイングランド王・ハロルド2世が2本足の竜の軍旗を使用していたことが判明しています。
以後、第2代ランカスター伯爵トマスなど、中世の貴族の紋章に「ワイバー」というドラゴンに似た生き物が描かれるようになりました。
ワイバーは翼がないことが多く、ワイバーンそのものでなく、その原型であると考えられています。
ワイバーンの誕生 、ドラゴンとの違いは
ワイバーンが現在、認識されているワイバーンとして成立したのは、近世イギリス、チューダー朝の時代です。
この時代まではドラゴンとワイバーの区別はついておらず、イギリスを除くヨーロッパの各地で竜種のひとつとして、2本足でも4本足でも一様に「ドラゴン」と呼ばれていました。
ワイバーンの成立は諸説ありますが、一説にエリザベス1世がイギリスの海賊であるフランシス・ドレークにワイバーの紋章を与えた際、紋章官が誤って「ワイバーン」と記録してしまったからだといわれています。
以降、4本足の竜をドラゴン、2本足の竜をワイバーンと区別するようになります。
けれど、ワイバーンが成立したチューダー朝後も紋章学において、この2つの竜の正確な区別は行われてきませんでした。
現代でも2本脚の竜ワイバーンの姿をしていても一般的にはドラゴンの一種として扱われています。
『ハリー・ポッター』シリーズや『ホビットの冒険』シリーズなどがその代表です。
ワイバーン、ファンタジーではおなじみの存在
『ハリーポッターシリーズ』『ファンタスティクビースト』のワイバーンは、姿を変えることができる、2本脚の魔法動物。
ーーーーーーーーーーー
『ロードオブザリングシリーズ』のワイバーンは中つ国の各地に生息する冷血竜
ーーーーーーーーーーー
ケルト神話の英雄・アーサー王など、多くの神話の英雄が登場するゲーム「Fate/GrandOrder」では、ストーリーの途中で倒すモンスターとして登場しています。
会話中に毎度ワイバーンが現われるため、会話を遮ってワイバーンを倒さなくてはなりません。「話の途中だがワイバーンだ」という名台詞 (?) でもおなじみです。
ーーーーーーーーーー
漫画『遊戯王』アニメ『遊戯王DM』ではワイバーンの戦士。剣技にすぐれたトカゲ人間。音の速さで剣をふるう下級通常モンスターとして登場しています。
ーーーーーーーーー
ゲーム「モンスターハンター」では、飛竜種と呼ばれるワイバーンに姿形が似たモンスターが登場。飛竜種の中でもさまざまな種に分かれており、翼を持つものやそうでないものなど、多岐にわたっています。
ーーーーーーーーーー
『ドラクエシリーズ』では魔界の番犬として重宝される竜の翼を持つ巨大な魔獣、ワイバーンドッグとして登場。強敵な人喰い犬竜。
ーーーーーーーーーー
『ファイナルファンタジー シリーズ」でも幾つもの作品に登場。その多くは尖兵のような雑魚モンスター
ーーーーーーーーーー
ワイバーン、まとめ
出典:deviantart
ファンタジーなどの創作作品ではおなじみのワイバーンですが、紋章の中の怪物で、神話や伝説等に具体的な起源がないなんて、驚きですよね。
4本脚がドラゴンで2本脚がワイバーン、
ナルホド、な違いです