黄金色に染まった木々の葉も枯れ、木枯らしに舞い落ちる頃。
「落ち葉」や「枯葉」は晩秋をイメージするけれど、俳句の世界では冬の季語。
落ち葉を集め、焚き木を囲み、暖をとる、そんな光景は見当たらなくなったとはいうものの、季節は小雪(しょうせつ)。
山間はうっすらと雪化粧、街にも初雪の便りが届きます。
目次
小雪
小雪(しょうせつ)は二十四節気の20番目。
現在の定気法では太陽黄経が240度のとき。
2024年の小雪は、11月22日(金)、および大雪(12月7日の前日)までの期間をいいます。
『暦便覧』では「冷ゆるが故に雨も雪と也てくだるが故也」
小雪とはわずかな雪の意、冷え込みも厳しくなり、雨も雪となって降る頃をいいます。
** 12月の呼び名 **
小雪の後半はいよいよ今年の最終月。
12月を「師走(しわす)」と言う事は広く知られていますが、それ以外にも12月には幾つもの呼び名があることをご存知でしょうか。
- 梅初月(うめはつづき)梅が咲き始める月
- 三冬月(みふゆづき) 冬の三番目の月(旧暦での冬は10月・11月・12月)
- 春待月(はるまちづき)次に来る春を待つ月
- 晩冬(ばんとう)遅い冬の月
- 歳極月(としはすづき)一年の最後の月
そして
- 師走(しわす)師が忙しく走り回る、年の瀬の月
** 小春日和 **
小雪の頃に吹く風は「木枯らし」。この頃、逆に風のない穏やかな日を「小春日和」、晩秋から初冬にかけての、暖かく穏やかな晴天の日をいいます。
小春の頃の穏やかな空は「小春空」、穏やかな海の凪を「小春凪」といいます。
** 越冬野菜 **
地方では越冬野菜を取り入れる頃。大根や柿など、干し野菜として吊るしたり、土の中に保存したり、本格的な冬の準備が始まります。
北海道・東北など雪が深い地域では、野菜も種類のよっては雪の中に貯蔵、または雪に埋もれた畑の中で穫り入れずにおきます。そうすることで甘味も増した新鮮野菜を味わうことができるようになります。
主な青果物はキャベツ、ニンジン、ジャガイモ、ダイコン、ゴボウなど。
「小雪」の頃、七十二候
初候(11月22日頃〜11月25日頃) 虹蔵不見(にじ かくれて みえず) : 虹を見かけなくなる
日差しが弱まり、はっきりとした虹が見かけられなくなる頃。
次候(11月26日頃〜11月30日頃) 朔風払葉(きたかぜ このはを はらう) : 北風が木の葉を払い除ける
朔風とは北風のこと。街路樹の落ち葉が舞うのもこの頃です。
末候(12月1日頃〜12月5日頃) 橘始黄(たちばな はじめて きばむ) : 橘の実が黄色くなり始める
橘とは柑橘、みかん類の総称。みかんは日本の冬には欠かせない果物。そんなみかんも食べ頃となります。
「二十四節気」とは
二十四節気は、一年を春・夏・秋・冬の季節に分け、それぞれをさらに6分割した24の期間に名前をつけたものです。現在でも季節の節目を示す言葉として使われています。
二十四節気の名称は、中国で考案された当時のものがほぼそのまま使われています。考案当時の文明の中心であった黄河の中・下流域の気候を反映しており、日本よりも寒冷で大陸的な気候のため、日本の気候とは多少ずれがあります。
太陽黄経が30の倍数であるもの(春分・穀雨など)を中(中気)、そうでないもの(清明・立夏など)を節(正節、節気)と言い、節気から次の節気の前日までの間を一ヶ月とする月の区切り方を節切り、その月を節月と言います。季語の分類も主として節切りで行われています。
夏至・冬至の二至、春分・秋分の二分を併せて二至二分といい、立春・立夏・立秋・立冬を四立、二至二分と四立を併せて八節と言います。二十四節気をさらに約5日づつの3つに分けた、七十二候という分類もあります。
小雪の頃の行事
お歳暮
** お歳暮の発祥 **
お歳暮は本来は「年(歳)の暮れ」を意味します。
それが年の瀬の贈答品を意味するようになるのは中国の風習の伝来が関係しています。
中国道教の教えでは、旧暦の1月15日の「上元」、7月15日の「中元」、10月15日の「下元」の「三元(さんげん」に天の神を祭り、お供え物をする風習があります。
これに日本のお盆のご先祖様を祀る「盆礼」行事と、正月の「御霊祭」を祀る行事が相まって、「盆礼」の頃にはお供物として「お中元」、正月の「御霊祭」にお供物の「お歳暮」を贈る風習が生まれたと考えられています。
** お歳暮の由来 **
日本でお歳暮の歴史がはじまったのは室町時代とも言われます。
「年(歳)の暮れ」には日頃からお世話になっている人に感謝の気持ちを伝えるための「歳暮回り」という行事が行われていました。
その時に手土産でお供物となる品々が「お歳暮」と呼ばれるようになったもの。
当時のお歳暮の定番は、塩鮭や鰤、餅などの年越しに必要なもの。年神様のお神酒のつまみ、かずのこスルメといった珍味が主な品々。
** お歳暮のマナー **
贈る品物を選ぶ際は、自分の好みで選ぶのではなく、先様の好みや家族構成をなどを考慮して選ぶようにしましょう。
生ものは日持ちのするもの選ぶように注意してください。
1.贈る時期
元々は正月を迎える準備を始める「事始め」、12月13日以降から贈る習わしがありました。
ただし、現在では年末を避けた11月下旬〜12月20日頃までに贈るのが一般的。
2.のし紙
のし紙は、紅白の奇数本、(5本又は7本)で蝶結びに熨斗が付いたもの用います。
表書きは濃い色の墨(薄い墨は弔事の際)で。
上書きは結び目の上、中央に「御歳暮」。
名前は結び目の下中央に表書きより小さめで、フルネーム。
3挨拶状を添える
お世話になっている方に贈る品物には、挨拶状を添えるようにしましょう。
お歳暮に添えるか、届いた頃にハガキや手紙を贈ります。
喪中のお歳暮
喪の期間は、配偶者や2親等の親族が亡くなった場合は約1年間が一般的
お歳暮は感謝の気持ちを伝えるものなので、自分や相手が喪中でも、基本的には控える必要はありません。
ただし、最近の不幸であれば、少し時期をおいた配慮をするのが良いかもしれません。
小雪 まとめ
師走に入れば、街は年の瀬ムード一色。年賀状の準備にかかるのもこの頃から。
筆者、このようなお仕事に携わりながら、メールという武器を得て、年賀状をサボるようになっってしまった無精者です。
「筆無精」とは、文を考えることではなく、下手な字を晒し手紙にしたためることを不得手とするものであることを実証しています。
特定の個人に宛てて、下手な字で自筆して想いを伝える、覚悟が要ります。根気が要ります。
すみません.....