ハロウィンが終われば、「七五三」の季節になります。
今のハロウィンが若者のイベントなら「七五三」は家族のイベント。
一生の思い出を刻む瞬間、それぞれ目一杯の幸せな笑みを浮かべている光景を目にします。
季節は立冬、いつの間にか冬が始まります。
目次
「立冬」
立冬(りっとう)は二十四節気の19番目。
現在の定気法では太陽黄経が225度のとき。
2024年の立冬は、11月7日(木)、および小雪(11月22日の前日)までの期間をいいます。
『暦便覧』では「冬の気立ち始めて、いよいよ冷ゆれば也」
冷え込みも更に増し、冬の気配が感じられる頃。
暦の上ではこの日から冬が始まり、立春の前日までが冬の期間となります。
「立」には新しい季節になるという意味があり、立冬を含んだ、「立春」(りっしゅん)「立夏」(りっか)「立秋」(りっしゅう)を「四立(しりゅう)」といいます
立冬になれば朝には初霜も降り、木枯し一号も吹き始め、初雪も降るころ。
日本列島はどんどん冬の佇まいへと様変わりしてゆきます。
七五三
「七五三」は11月15日、子供の成長を祝って神社・寺などに詣でる年中行事。
本来は旧暦の数え年で行います。つまり、満年齢では2歳・4歳・6歳に祝うことになります。ただ、現在では数え年、満年齢のどちらで祝っても大丈夫とされています。
七五三の由来
起源は平安時代とされ、儀式が定まってきたのは江戸時代、
当時、乳幼児の死亡率が高く、公家など貴族の間で子どもの成長を願うさまざまな儀式が行われていました。江戸中期には武家や裕福な商人の間にも広まります。
11月は収穫を終えてその実りを「産土(うぶずな)」の神に感謝する月、15日は「二十八宿の鬼宿日」(鬼が出歩かない日)で、何事をするにも吉日。
「七五三」は11月の15日に、「氏神様に収穫を感謝し子供の成長を祈願する行事」として行われるようになります。
主に関東地方の風習であった「髪置(かみおき)」「袴着(はかまぎ)」「帯解(おびとき)」の3つの儀式をまとめて「七五三」と呼ぶようになり、明治時代以降、全国に広まり、新暦の11月15日に行われるようになりました。
近年では11月15日に限らず、11月中のいずれかの土・日・祝日に行なうことも多くなっています。
七五三の儀式とは
◾️3歳「髪置(かみおき)」女児が行う、髪を伸ばし始める儀
平安時代は、男女とも3歳までは髪を剃り、3歳の誕生日になって初めて髪を伸ばす風習がありました。
この日、綿白髪を頭にかぶせ、頂に白粉(おしろい)をつけ、くしで左右にすいて祝います。
髪が白くなるまで長生きするようにという願いが込められています。
◾️5歳「袴着(はかまぎ)」 男児が行う、袴を着け始める儀
5歳になった男の子はその年の11月15日に初めて袴をはくことになります。
この時、男子は碁盤の上で吉方を向いて立ちます。
◾️7歳「帯解(おびとき)」 女児が行う、帯を締める着物にかえる儀
女子は7歳になると、それまでの紐付きの着物にかわって本裁ちの着物と丸帯を締めるようになります。これで女性と認められることを意味しています
七五三の正式な装いは
・3才の女子は帯を結ばず、被布(ひふ)という羽織
・男の子は紋付きの羽織に袴
・7才の女子は着物に丸帯
神社参拝のマナー
七五三の行事として、神社でお祓いを受け、祝詞をあげていただきます。
これを「七五三詣(しちごさんもうで)」「七五三参り」といいます。
ただお祓いは必須ではなく、最近では参拝だけで済ませたり、お参りに行かないことも増えているようです。
参拝の際の正式なマナーは
- 鳥居をくぐる前に身なりを整えます。
- 鳥居をくぐり、一礼をして境内に入ります。
- 参道を歩く時は、神様が通る真ん中ではなく、左右どちらかに寄って歩きます。
- 手水舎(てみずや)と呼ばれる場所で手水をとって、心身を清めます。
- まず右手に柄杓を取って左手を洗います。
- 次に柄杓を持ち替えて右手を洗います。
- 再度持ち替えて、左手に水をため、口に含み、洗います。
- もう一度左手を洗い、
- 残った水で柄杓の柄を洗います
この時、柄杓に直接口をつける事は厳禁。口をすすいだりすることもマナー違反です。
- 神前では軽いおじぎの後、鈴を鳴らします
- 賽銭箱に賽銭を入れます。
この時、賽銭は投げ入れるのではなく、そっと入れるのが正解。
- 二礼二拍手一礼の作法で参拝します
- 神前に向かって2回深くお辞儀をします。(二礼)
- 胸の高さで手を合わせ2回拍手します。(二拍手)
- 両手を合わせたまま祈願。
- 最後に一礼。(一礼)
千歳飴
千歳飴の名は、「千年」の長寿、細く長い人生を全うするという願いを込めた紅白の飴。千、鶴亀(つるかめ)や松竹梅などの縁起の良い絵柄の千歳飴袋に入って売られています。
江戸時代、七兵衛という浅草の飴売りが、縁起をかついで 「千年飴」と名づけて売ったのが始まりといわれています。
「立冬」の頃、七十二候
初候(11月8日頃〜11月12日頃) 山茶始開(つばき はじめて ひらく) : 山茶花が咲き始める
山茶花、サザンカと読みます。椿と山茶花はほとんど見分けがつかないほど似た花。開花時期が山茶花10月〜12月、椿12月〜4月。花の散り方も山茶花は花びらが一枚ごとに落ちてゆきます。
次候(11月13日頃〜11月17日頃) 地始凍(ち はじめて こおる) : 大地が凍り始める
この頃には、地域によっては早朝に霜柱も見られ、冬の到来を実感します
末候(11月18日頃〜11月21日頃) 金盞香(きんせんか さく) : 水仙の花が咲く
この「金盞花」は水仙を意味しています。水仙は冬から春にかけて白や黄色の花を咲かせます。
「二十四節気」とは
二十四節気は、一年を春・夏・秋・冬の季節に分け、それぞれをさらに6分割した24の期間に名前をつけたものです。現在でも季節の節目を示す言葉として使われています。
二十四節気の名称は、中国で考案された当時のものがほぼそのまま使われています。考案当時の文明の中心であった黄河の中・下流域の気候を反映しており、日本よりも寒冷で大陸的な気候のため、日本の気候とは多少ずれがあります。
太陽黄経が30の倍数であるもの(春分・穀雨など)を中(中気)、そうでないもの(清明・立夏など)を節(正節、節気)と言い、節気から次の節気の前日までの間を一ヶ月とする月の区切り方を節切り、その月を節月と言います。季語の分類も主として節切りで行われています。
夏至・冬至の二至、春分・秋分の二分を併せて二至二分といい、立春・立夏・立秋・立冬を四立、二至二分と四立を併せて八節と言います。二十四節気をさらに約5日づつの3つに分けた、七十二候という分類もあります。
立冬の頃の行事
全国にある「七五三詣」にオススメ社寺。景観も美しく、専用窓口やキャンペーン企画などもあり、一生の思い出の瞬間を迎えるのにハズレる心配無し!
栃木県 日光東照宮
世界遺産にも指定される日本全国の東照宮の総本社。
七五三詣では、さまざまなキャンペーンやオプションもあります。ただし、キャンペーン参加には早めの予約が必要。
長野県 善光寺
長野の七五三といえば善光寺と言われるほど七五三詣に有名です。
10月1日〜11月30日までの期間「七五三健全育成祈願」が行われています。
東京都 明治神宮
日本屈指の参拝客で賑わう明治神宮は、都心にある緑豊かな自然に包まれたオアシス。
七五三詣には専用の窓口があり、プランも豊富です。
京都府 北野天満宮
京都北野天満宮は学問の神様・菅原道真公を祀る、全国の天満宮1万2000社の総本社。
学業向上を願って家族で訪れる参拝者も多く、七五三でも大人気です。
大阪府 住吉大社
大阪住吉大社は、全国約2300社ある住吉神社の総本社。
七五三では巫女による神楽舞を奉納してくれます。
奈良県 春日大社
春日大社は国の重要文化財にも指定される創建1250年以上の歴史を持つ神社。
七五三の時期は紅葉も楽しめるオススメスポット。
立冬 七五三 まとめ
都会での暮らしでは、季節の移ろいを実感する機会も少ないのではないかと思います。
手が凍りつきそうな水の冷たさも、頬が赤く染まるほどの外気に晒される機会もなく、気付くといつの間にかもう冬。
いつの間にか変わったクリスマスツリーの飾り付けに、もう年の瀬も近いんだと、毎年の焦燥感に駆られます。