ケルト神話に登場するグラーニア(グラニア)は、勝ち組姫にはよくいるタイプの気まぐれなお嬢様。
フィン・マックールという婚約者がいる身でありながら、若くて美形のディルムッド・オディナに略奪婚を迫ります。
ふたりの英雄の人生を狂わせた悪評高いグラーニア(グラニア)とは。
その生涯を辿ります。ご覧ください。
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グラーニア、自分の感情に素直に生きた女性
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グラーニア(グラニア)はエリン(アイルランド)の王女様。ディルムッド・オディナの妻となった女性です。
フィオナ騎士団の長フィン・マックールとの結婚が決まり、その宴の夜にフィンの部下だったディルムッドと出会います。
ディルムッドを見染め、恋を成就させるようディルムッドにゲッシュを課し、背徳の道を辿らせることになります。
ディルムッド・オディナと結ばれるまで
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グラーニアは当時のエリンで最も美しいと評判の美女。外見の美しさだけでなく、教養や作法もエリンでもっとも優れていました。
反面、奔放でわがまま、気まぐれで気難しい一面もあったと伝えられています。
ある時、フィン・マックールは新しい花嫁を迎えることになり、グラーニア姫がその花嫁に選ばれます。 けれどグラーニアはこの結婚を受け入れ難く思っていました。その時フィンはすでに老齢で、 若く美しいグラーニアにとっては理想的な花婿とは言い難い存在でした。
婚礼の祝宴でグラーニアは初めてディルムッド・オディナに出会います。
グラーニアは一計を案じ、侍女に薬の入った酒杯を振舞うよう指示し、フィンや父上王を含め、宴に集まったほとんどの人々を眠らせてしまいます。
そしてグラニアはまず、フィンの息子オシーンを誘惑します。けれどオシーンの「父の女を奪わない」というゲッシュで断念。
次にディルムッド・オディナに狙いを定めます。そしてオシーンと同じように駆け落ちを迫ります。
けれど彼の忠義心は厚く、「主君の花嫁を、私は愛しません」と断ります。
そして逆にフィンとの結婚を説得しょうとするディルムッドに、グラーニアは「皆の起き出す前に、自分を連れて逃げなければ破滅が訪れる」というゲッシュを与えます。
そして駆け落ち、逃亡生活が始まります。
当然ふたりの裏切りにフィン・マックールは怒り、フィンの騎士団も駆り出され、長い年月をかけて追跡が行われます。
和睦、そしてディルムッドの死
そしてついにディルムッドの養父である妖精王オェングスの仲介もあって、フィンは苦渋の決断でふたりを許します。
フィンとの和睦により、晴れてグラーニアはディルムッドと公に認められた夫婦となり、ふたりの間には4人の子どもにも恵まれます。
けれどある日、ディルムッドはフィン・マックールとともに狩に出かけ、魔猪に出会い、瀕死の重傷を負います。
フィンは彼の持つ特別な能力『癒しの手』でディルムッドを完治させることができるものの、積年の恨みが頭を過ぎってその好機を逃し、ディルムッドは絶命、亡くなってしまいます。
ディルムッドの死後
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グラーニアの悲しみは大きく、息子達にフィンへの復讐を誓わせるほどでした。
けれど月日が流れ、悲しみが薄れ出すと、フィンが訊ねてくるようになります。
そして長い期間をかけグラーニアへの愛を語ります。そしてついにグラーニアはフィンの愛にほだされて結婚を同意。フィンの砦でフィンの妻として生涯をともに暮らしたといいます。
フィンがディルムッドを見殺しにして、最終的にグラーニアを妻にしたことに対して、フィアナの騎士たちはこの婚姻を侮蔑と嘲笑をもって迎えたと伝えられています。
けれど他説では、グラーニアは愛する夫を喪った悲しみで後を追うように亡くなったという説も伝えられています。
ちなみに
「グラーニア」の名は、本来「醜い女」「醜悪」「嫌悪の情を催させるもの」を意味しているとか。
現代でもフィンとディルムッドの3人ひと組? グラーニア
「Fate/Zero」ではケルト神話同様、フィオナ騎士団の長フィン・マックールと結婚させられるはずだったアイルランドの王女。ディルムッド・オディナ(ランサー)の妻となる女性として登場しています。
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「エレメンタルストーリー」のグラーニアは5星つキャラ。ダーマット、フィン・マックールと共に登場しています。
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「マグマ大使」では、宇宙から来たゴア配下の怪獣グラニアとして登場。口から放射能を吐く恐怖の水爆怪獣。
グラーニア まとめ
思うにグラニア姫とは世間知らずな箱入り娘だったのだろうと思います。
女性であるなら、会ったこともない老人に嫁ぐのが嫌なのは当たり前。なんとか逃れたいと思うもの。その犠牲(まさに犠牲?)になったのがディルムッドだったのではないでしょうか?
そうして、駆け落ち、追っ手からの逃亡生活と、考えていなかった方向に展開していった。
軽率な行動に出てしまったお姫様だったのでしょう。
そのことで一番被害を被ったのがディルムッドっということになります。
まあ、非難されて仕方がない女性ではありますが。