暑さがとどまる処暑、朝夕に秋の気配を感じ始める頃。
そういえば、夜になるのがどんどん早くなってきたと感じられます。
台風も頻繁に発生する頃でもあります。
天災という自然の猛威は、その度ごとに深刻な被害を被って、人間とはいかにか弱い存在であるかを思い知らされます。
「処暑」
処暑(しょしょ)は二十四節気の14番目。
現在の定気法では太陽黄経が150度のとき。
2024年の処暑は、8月22日(木)、および白露(9月6日)の前日までの期間をいいます。
『暦便覧』には「陽気とどまりて、初めて退きやまむとすれば也」と記されています。「陽気が留まって、初めてしりぞき、止むようになる」。暑さが処(とどまる)時期を意味しています。
処暑の頃に吹く風を特に「送南風(おくれまぜ)」と言います。これはお盆の後、夏の終わりを告げるように吹く南風。これより前に、お盆の時期に吹く風は「盆東風(ぼんごち)」と呼ばれます。
二百十日(にひゃくとうか)
処暑の時期には立春から数えて210日目、二百十日(にひゃくとうか)という雑節があります。
稲が成り始める時期であり、二百二十日とともに台風の特異日にあたります。
特異日とは偶然とは思われない高い確率で、特定の気象状態が現れる日のこと。
世界的に認められた概念で、英語では「シンギュラリティ」(singularity)といいます。
ちなみに今年2024年の ・二百十日は8月31日 ・二百二十日は9月10日 です
処暑の頃の七十二候
「処暑」の頃、七十二候においては下記のように表現されます。
初候(8月23日頃〜8月27日頃)綿柎開(めんぷ ひらく): 綿を包む咢(がく)が開く
綿を包む柎が開き始める頃。柎とは花の咢(がく)、花弁(はなびら)またはその外側の部分をいいます。柎が開き、白く柔らかい綿毛が飛び出すように現れます。
次候(8月28日頃〜9月1日頃)天地始粛(てんち はじめて しじむ): ようやく暑さが鎮まる頃
9月1日は二百十日にあたり、台風の到来には注意が必要です。
末候(9月2日頃〜9月7日頃)禾乃登(か すなわち みのる): 稲が実る
稲穂が実り、こうべを垂れ、黄金色に色づき始めます。
「二十四節気」とは
二十四節気は、一年を春・夏・秋・冬の季節に分け、それぞれをさらに6分割した24の期間に名前をつけたものです。現在でも季節の節目を示す言葉として使われています。
二十四節気の名称は、中国で考案された当時のものがほぼそのまま使われています。考案当時の文明の中心であった黄河の中・下流域の気候を反映しており、日本よりも寒冷で大陸的な気候のため、日本の気候とは多少ずれがあります。
太陽黄経が30の倍数であるもの(春分・穀雨など)を中(中気)、そうでないもの(清明・立夏など)を節(正節、節気)と言い、節気から次の節気の前日までの間を一ヶ月とする月の区切り方を節切り、その月を節月と言います。季語の分類も主として節切りで行われています。
夏至・冬至の二至、春分・秋分の二分を併せて二至二分といい、立春・立夏・立秋・立冬を四立、二至二分と四立を併せて八節と言います。二十四節気をさらに約5日づつの3つに分けた、七十二候という分類もあります。
処暑の頃の行事
「地蔵盆」
地蔵菩薩は、古来、賽の河原で石を積む子供たちを守り、得を与えて成仏させる神様として信仰されてきました。
地蔵盆はその地蔵菩薩に感謝し、子どもたちの無事な成長を祈るために町内ごとの規模で行われる小さなお祭。京都や大阪などの関西を中心に行われています。
子供の無病息災を願い、8月23日・24日、町のお地蔵様をきれいに洗って、前垂れをつけ、おめかしして、灯籠や供物をお供えし、提灯で灯りをともします。
「八朔祭」
八朔(はっさく)とは八月朔日の略で、旧暦の8月1日をいいます。「朔」は月と太陽の視黄経が等しくなること、また、その時刻。その時刻を含む1日を朔日といいます。
例年ならこの時期、各地で天災に遭わずに作物が実るよう、五穀豊穣を祈願する「八朔祭り」が催されます。
処暑 まとめ
処暑の頃、夏休みが終わります。子供の頃は、この頃が時間が最も早くに過ぎていってしまうように感じた時期です。
思うに、子供の頃から時間を有意義に使う訓練をしていたら、もう少しはエライ大人に成れたかもしれない。という意味ではこの頃が一番反省すべき自分ということになりますs(o-´ω`-)