サタンと聞けば、ゲームやアニメの先進国である日本人にとっては、ある意味、最もメジャーなキャラクターかもしれません。
決して、怖いだけの存在ではなく、ユニークキャラのイメージが強いかも。
そこで、改めて魔界の王サタンに注目です。
サタンとは何者?その誕生は?
目次
サタン、憤怒を司る悪魔の王、もとは美しい堕天使
サタン(satan)は七つの大罪の「憤怒」を司る、地獄(魔界)の支配者。全ての悪魔を統べる王。
その名前はヘブライ語の「敵対者」を意味します。
ユダヤ教、キリスト教では神の、イスラム教では人間の敵対者。
蛇になってアダムとイブを騙し、その子供のカインが弟のアベルを殺めるよう囁いています。
サタンは人間が犯す罪を作り出すもの。
古代イスラエルの伝承では神による「試練」の具現化。人間を神の道から外れるようにする力が擬人化されたもの。
サタンはユダヤ教では死を司る天使サマエル、イスラム教では悪魔の王イブリースやシャイターン(アル・シャイターン)、暴食を司る悪魔ベルゼブブなどと同一視されます。
ボゴミル派の天使サタナエルがエルの称号を失ってサタンになったという説もあります。
容姿
サタンは初期キリスト教時代には《創世記》のヘビ、《ヨハネの黙示録》ではミカエルによって天上を追われた竜として登場しています。
冠をかぶった七つの頭と十本の角を持つ「年経た蛇」とも。
中世期には人間の姿で描かれることも多く、病人から飛び去る人影、翼をもった醜い人間の姿をした半人半獣のサタンが数多く残されています。
イタリア・ルネサンス美術のサタンはしばしば頭に角をもつ半獣の奇怪な姿の怪物。
蝙蝠の羽を持つ恐ろしい姿のものや、堕天前の天使の美しさを残した姿で描かれたものもあります。
悪魔サタンの誕生、ルシファー になる変遷
◾️「コーラン」のイブリース
イスラム教の聖典クルアーン(コーラン)によると、アッラーフ(神)が土からアダムを創り、天使たちに「ひざまずいてこれを拝め」と命じます。
天使たちはこれに従いますが、ただ一人イブリースだけが「黒泥を捏ねて作った人間などにひれ伏すことはできない」とそれを拒みます。
アッラーフの怒りに触れたイブリースは天国を追われ、「最後の審判の後、地獄の業火によって焼かれるまで地上の人々を惑わせてやろう」と誓い、悪魔の王となります。
◾️『旧約聖書』のサタン
旧約聖書でのサタンは元は神に仕えていた使徒。
「創世記」の中で、エデンの園で暮らすイヴをだまして知識の木の実を食べさせた「ヘビ」として登場します。
神に背いたアダムとイヴは永遠の命を失い、死から逃れられない存在となり楽園を追われます。
サタンは神の意を妨げる「妨害者」で人類の敵。神の「信仰を試す役割」として登場します。
◾️「新約聖書」のサタン
サタンは「悪魔の誘惑」の場面で、断食修行に入ったイエスのもとに現れます。
イエスは誘惑を拒否し、「サタンよ、退け」と命じます。
そして『ヨハネの黙示録』「最後の審判」の中で、大天使ミカエル率いる天使との戦いに敗れ、破滅します。
旧約聖書のサタンは「妨げる者」の名を持つ神の使徒であったのが、新約聖書の中で「敵対者」となり、さまざまな悪魔の性格が融合し、悪魔として変化していったものと考えられています。
◾️キリスト教のサタン
キリスト教の サタンは、元は「ルシファー」という名の、神に仕える使徒。多くの天使を率いる十二枚の翼を持った美しい大天使長でした。
けれど、ある時神の意に背き、自分に賛同する天使達と、大天使ミカエルの率いる神の軍団と戦うことになります。
戦いに敗れたルシファーと天使の三分の一は天から落とされてしまいます。
◾️「失楽園のサタン
あらすじ
「失楽園」のサタンは神の御子に対する嫉妬から反逆を企て、天上界で大天使ミカエル率いる神の軍勢との戦いが起こります。
サタンの軍勢は戦いに敗れ、暗黒の淵に落とされます。
暗黒から脱出したサタンは、神に対する復讐を誓い、神の愛と祝福を受けて幸福に暮らす人間に近づきます。
蛇に姿を変えたサタンはイブをそそのかし、アダムとイブに知恵の木の実を食べさせます。
神との誓いを破った人間は楽園から追放。
けれど、大天使ミカエルは神の命を受け、人間に救いの道が残されていることを伝えます。
◾️サタンとルシファー
サタン」は別名「ルシファー」と呼ばれます。
ルシファーとサタンが同一であるという説は新約聖書以降、キリスト教において伝えられています。
そのルシファーとは、「明けの明星(金星)」を意味します。語源は「光」を意味するラテン語の「ルークス」。
ルシファーは光の天使が、堕天使となった存在です。
初期キリスト教では、サタンとルシファーは同一の存在。
ただし、ミルトンの『失楽園』ではサタンは天使だった頃からサタン、ダンテの『神曲』ではルチフェロとも呼ばれます。
サタン! 現代でも多様な顔を持つ、チョー人気キャラ
「ドラゴンボール 」のミスターサタンはセルと魔人ブウを倒して地球を救った…と全人類に思われている地球人の(おマヌケな)ヒーロー。
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「キン肉マン」のサタンはこの世の怨念の集合体
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「女神転生」シリーズのサタンはルシファーとは別の存在である「神の裁き」そのもの。姿は蛇など爬虫類のパーツを備えてい人や龍
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「ドラクエ」サンダーサタンは4・7・8に登場。怖い思いをすることもない中堅クラスの敵キャラ。
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『七つの大罪』のサタンは最も好戦的で戦闘力が高い「憤怒」の罪を司る魔王。
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その他、「鬼灯の冷徹」「デビルマン」「聖お兄さん」「オセロニア」、「グラブル」、「パズドラ」など、ゲームやアニメ、ドラマ、S F・オカルト・ホラー映画など、様々な作品で活躍。さすがの人気です!
サタン まとめ
個人的にはサタンはドラゴンボール のミスターサタンのイメージが強すぎて、客観的に語れません。。。
けれど、ただ、サタンが、血生臭く、恐ろしく怖い魔物たちの王という存在ではなく、人間や神と敵対する者としての王であるということに納得です。
何にしても人間や神を堕落させようとするものというのは「ゼッタイ、敵!」ですよね。