イケメンの代名詞ともいえるアポロン。さぞ多くの浮名を流し、幾多の女神やニンフ・美男・美女に涙させた罪深い男神かと思いきや、以外にもその恋愛談はイマイチイケテナイ。
イマイチなどころか、可哀想と思えるものも。。。
そんな、アポロンのイケテナイ恋愛遍歴? を考察します。
なかなか、ぜんぜん、報われないアポロンの想い
アポロンは芸術を愛し、理性的な男神である一方で残忍な性格を併せ持つことでも知られています。報われない恋を諦めるという結末はアポロンの選択肢の中にはないのかもしれません。
報われない想いの果てにアポロンの選んだ恋の結末は?
エロースの仕返しで「月桂樹」になったダプネー
ダプネーはテッサリアの河神ペーネイオスの娘。大蛇ピュートーンを退治したアポロンがエロースの小さな弓を馬鹿にしたことが原因で起こります。
エロースはアポロンには黄金の矢(愛情を芽生えさせる矢)を射て、ダプネーには鉛の矢(愛情を拒絶させる矢)を射ます。
アポロンはダプネーを追い、ダプネーはアポロンから逃げようとしますが、追い詰められ父ペーネイオスに助けを求めます。父はダプネーを月桂樹に変えることで願いを叶えます。
失意のアポロンは「せめて私の聖樹になって欲しい」と懇願、ダプネーは枝を揺らしてうなずき、月桂樹の葉をアポローンの頭に落としました。
出典:さきの小さな大発見
誰からも信じてもらえない「預言者」になったカッサンドラー
カッサンドラー はトロイア王、プリアモスの娘。カサンドラの美しさに魅了されたアポロンは求愛。そのプレゼントとして「百発百中の予言能力」をカッサンドラー に与えました。
けれどその予言力でカサンドラは「アポロンに弄ばれて捨てられる」運命を知り、アポロンの元から去ります。
アポロンは捨てられたことを怒り「カッサンドラーの予言は誰も信じない」という呪いを掛けて憂さを晴らします。
カサンドラはトロイアの滅亡を予言しますが、それを信じるものはおらず、トロイアは滅亡します。
出典:mementmor
アポロンの子を身籠りながら不義密通、コローニス
アポロンはテッサリア領主の娘コローニスを見染め、恋愛関係となります。
けれどコローニスは他の男とも付き合っていて、そのことを知ったアポロンはコローニスを射殺。コローニスはアポロンの子を身ごもっている事を告げた後に亡くなります。
アポロンは激しく後悔し、コローニスの子を救い出した後に、ケイローンにその子の養育を託します。その子は後にへびつかい座ともなる名医アスクレピオスとして成長します。
出典:ウィキペディア
その他、ニンフのアカントスに恋をしたもののアカントスには拒まれ、執拗に言い寄り嫌がられて爪で顔を引っ掛かれ、逆ギレ、アザミの花に変えてしまったとか。
また、人間の女性マルベッサに恋をして、イダスというライバルとマルベッサを取り合い、神であるのに負けてしまうという情けない思いをしたという神話も残されています。
少年の心は掴むものの、想いは叶わず
ギリシャ神話には頻繁に登場する美少年。アポロンは美少年との恋愛についてはお互いに相思相愛の仲になれるもののなかなか成就はできません。
ヒヤシンスの花になったアポロンの想われ人ヒュアキントス
出典:ウィキペディア
ヒュアキントスはペラ王ピーエロスと文芸の女神クレイオーとの間に生まれた美少年。アポロンと西風の神ゼピュロスはヒュアキントスの心を取り合うことになります。
けれど、ヒュアキントスの気持ちはアポロンに傾きます。
ふたりが仲睦まじく円盤投げを楽しんでいた際、嫉妬に駆られたゼピュロスはヒュアキントスの額に円盤を命中させ、命を奪います。
流れるヒュアキントスの血から真っ赤な花が咲き、ヒュアキントスにちなんでヒアシンスと名付けられました。
また、キュパリッソスという美少年もアポロンに愛されたひとり。可愛がっていた大鹿を誤って殺してしまった罪の意識から逃れられず自身も死を選びます。悲しみに浸り、血も枯れて、干からびて最後には糸杉になってしまいます。
イケてる? アポロンらしい現代のアポロン
出典:日々オタク
「イナズマイレブン」シリーズでは世宇子中の選手阿保露光として登場。DFで2年生、背番号は2。勝つためなら冷酷なプレイも平気でやる性格。
「グラブルーファンタジー」ではLv100、属性は光。城砦都市アルビオン第20章に登場しています
まとめ
アポロン、罪深い残虐な男神と思いきや、エロースに悪戯されて失恋したり、浮気されたり、捨てられたり、そんな果てにキレて、与えた力を奪ったり、殺したり、追い詰めて月桂樹に変えてしまったり。なるほど報われない想いの連続です。
まあ、美形に憂いはつきもの。ハッピーなアポロンより、影のあるアポロンの方が絵になるとは思いますが。。。