海外人気ドラマ「ウォーキング・デッド」でも、トラを従えた指導者として強烈なインパクトを放った「エゼキエル」、旧約聖書に登場する預言者です。
そこで今回はエゼキエルの旧約聖書の中での偉業について探索したいと思います。
謎に包まれた人物であるといわれるエゼキエルとは。
画像出典:ウォーキング・デッド情報館
謎に包まれた預言者エゼキエル
出典:ウィキペディア
旧約聖書には、神から言葉を受け取った多くの預言者が登場します。エゼキエルもその一人で、紀元前6世紀頃、「バビロン捕囚」の時代の予言者として記されています
多くのユダヤ人がバビロニア地方(現在のイラン南部)に連れていかれ、奴隷として強制的に移住させられたバビロン捕囚。ユダヤ民族としては辛い時代となったこの時期に、エゼキエルは神から言葉を受けて預言活動を始めたとされています。
同時期の預言者エレミアがエルサレムで預言活動を行った一方で、エゼキエルはバビロン捕囚の地(テル・アビブ)で活動し、異邦人たち(ユダヤ人を捕らえた人々)の滅びの預言などを行いました。
さらに、祖国への帰還の約束、その後は国家再建のための具体的な指示(国の規定や神殿の再建指示など)まで伝える役目を果たしていて、彼の預言活動のおかげで捕らえられたユダヤ人たちが希望を持ち続けたのではないか、と言われています。
預言者としては大きな功績がある一方で、個人としてのエゼキエルは謎に包まれています。その人物像の描写は旧約聖書の「エゼキエル書」にわずかにあるだけで、捕囚民の長老たちからも相談を受ける祭司の立場にあったらしいこと、エルサレム陥落前に亡くなった妻がいたことくらいしか分かっておらず、ミステリアスな人物です。
画像出典:ヴァーチャル絵画館
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ミステリアスな雰囲気のキャラクター名として使われるエゼキエル
人物について不明な点も多いエゼキエルですが、その名前の響きやミステリアスな背景から、ゲームなどに登場するときは、謎めいた強キャラクターとして描かれることが多くなっています。
ゲーム「エルシャダイ」では、強さの中に狂気を覗かせる堕天使の老女として登場しました。
また、スマホゲーム「キングスレイド」にも悪魔的な要素を持ったキャラとして登場して、攻略サイトで評価「A」を受ける強いキャラになっています。
フィクションの世界のエゼキエルで一番有名なのが、やっぱり「ウォーキング・デッド」の登場人物としての描写ではないでしょうか。
ゾンビによって崩壊した世界で生存者をまとめ上げた「王国」を指導して、その力を示すようにトラをペットに連れる男、エゼキエル(文明崩壊前は動物園の飼育員だったという設定)。
「民を導いていく」という立場は、旧約聖書に登場したエゼキエル本人と通じる部分があると言えますね。
まとめ
分からない部分も多いエゼキエルですが、そんなミステリアスさもキャラクター名に採用される魅力のひとつでしょう。
「謎の多い預言者だった」という背景を知っていると、アニメやゲーム、映画での役割と照らし合わせたときに面白い発見があるかもしれませんね。
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